フラメンコ最古の唄トナーからシギリージャへ トナーyシギリージャ

曲種

フラメンコ最古の唄トナーからシギリージャへ トナーyシギリージャ

2019年11月24日のマンサニージャ企画オレンジの蕾ライブで私は「トナーyシギリージャ」を踊らせて頂きました。

いつもは「マルティネーテyシギリージャ」を踊っていて、当日のリハーサルも「マルティネーテyシギリージャ」で合わせたのですが開演5分前に思い切ってカンテ(歌い手)のダニエル リコさんに「舞台中央で歌っていただけますか?」と打診したところ「いいですよ。もしよかったらトナーにして中央でシギリージャのたこさんと交わるようにしましょう」と演出を提案してくださいました。

トナーとはフラメンコで一番古い歌で、すべてのフラメンコの元となったものだといわれています。今日はこのトナーについてご紹介します

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トナーの動画を見てみよう

フラメンコ最古の唄ですべてのフラメンコの元になったといわれているトナーの唄を聴いてみましょう

Romance de Juan García (toná)
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ダニエル リコさんが提案してくださった演出について

意図が理解できた

開演5分に迫った段階で「舞台中央でマルティネーテを歌ってほしい」という私の要望に「もしよかったらトナーにして舞台中央で交差しましょう」と瞬時に提案してくださったダニエル リコさん。

たこはその瞬間、自分の脳にある乏しいフラメンコ知識から必死にトナーを引っ張り出してきた。

(画像は今回見に来てくださったソウタシエ作家の清水礼子さんが、プレゼントの中に忍ばせて下さっていたペイネタとピアス。ライブが終わり帰宅してプレゼントをあげた瞬間声にならない声が出ました。ありがとうございます。ソロンゴかバンベーラで使用したいです。)

トナーは確か、フラメンコがフラメンコになる前の無伴奏の曲ですべてのフラメンコの元となったリズムだといわれている。トナーはその原始的なリズムからマイクを通さず歌われることが多い。・・・・と本に書いてあった、確か。

そして、今回の私のシギリージャは最初私のパルマ(手拍子)でリズム出しをし、タパオ(メロディーなしのリズムだけで踊る部分)があり途中からギターさんが頃合いを見てファルセータ(ギターの素敵なメロディ)を入れてくださる。という流れになっています。

  • 舞台中央でマイクを通さない
  • 原始的なフラメンコ最古の唄トナー
  • 歌い手と踊り手が舞台中央で交差して、リズムを手に入れパルマで刻む
  • パルマで最高潮に盛り上がったところで文明から生まれたギターが加わりメロディが生まれシギリージャへと発展する

ダニエルさんはきっとここまで瞬時に計算して提案してくださったのだと、2分後ぐらいにやっと気づいた私。鳥肌が立ちました。

・・・・ってか、2分でちゃんと理解できた私、えらい!!始まる前にちゃんとトナーに変更になった意図をくみ取れました!!!

開演2分前になっていたので変更点をメンバーにも照明スタッフさんにも伝えられず本番が始まり

緊張の中それでも着々とオープニングも曲も順調に進んでいき私の番になりました。

リハーサルではダニエルさんは席に着いたままマルティネーテを歌いその途中で私が席から立ち舞台中央へ歩いていくという段取りで、照明もそのように入れて下さっていたのですが、いきなりダニエルさんが席から離れ舞台中央に立たれたので他のメンバーもスタッフさんも驚かれたのではないでしょうか。

しかも歌いだしたのが、リハーサルと違う曲なのです。

しかし、さすがフラメンカは肝が据わっています。トナーが始まったとたん空気が原始的な土の香りのするものに変わりました。照明もぐっと抑えたものになりました。

トナーを歌うダニエルさんとシギリージャのリズムを持つ私とが舞台中央で交差し、トナーが後退するのを感じながらシギリージャのコンパス(リズム)を引きだしました。

バックのメンバーのパルマも力強く同調してくれ、一体感を感じました。

途中から宇根さんのギターがファルセータで加わった瞬間、フラメンコの歴史を一気に駆け抜けた感覚になりました。

「フラメンコの歴史」を感じながらシギリージャを最後まで踊り切りました。

見て下さった方の感想

何度か私のシギリージャをみて下さっている方々から「重厚感を感じた」「振りの意味が出てきた」「踊りに重量があった」などの感想をいただきました。

またおそらく他メンバーのお客様だと思われるかたから「重みと物語を感じた」という一言をいただきました。

多分このトナーというフラメンコ最古の唄がもたらした産物だと思います。この演出を瞬時に引き出したダニエルさん、本当にすごいかたがとおもいました。

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トナーの成り立ち

トナーは

でも書いたように北インドを追われたジプシーが流浪の旅をしている間に生まれた歌です。

トナーは、スペイン語で音や音程を表す トノ という言葉を語源で18世紀ごろに歌われ始めましたが現存しているトナーはわずか3つのメロディだけです。

ただ、消えてしまった数多くのメロディは、他の曲種に姿をかえ今もフラメンコに溶け込んでいると思われます。

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フラメンコ最古の唄トナーからシギリージャへ トナーyシギリージャ まとめ

このようにフラメンコにかかわり表現するうえで歴史をすることはとても大切なことだと今回も感じました。

多少なりともフラメンコの歴史とトナーの事を知っていたことで歌い手さんの提案してくださったことの意味も理解できましたし、この日の踊りの出来にも影響したと思います。

(動画はトナー部分が収録されていません。たこのパルマから、ギターさんのファルセータにかけてです)

 

好きなことを十分に楽しむためには知識と経験も必要だと痛感したライブでした。

これからも多方面からフラメンコにアプローチし、得た知識を皆さんと共有できるよう記事にしていきます。

一緒にフラメンコを楽しみましょう♪

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