ファンダンゴ・デ・ウエルバ フラメンコの振付ってどうやって作るの? 習ったことのない曲の踊り方

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ファンダンゴ・デ・ウエルバ フラメンコの振付ってどうやって作るの? 習ったことのない曲の踊り方

今、11月18日の夜22時50分です。次のライブは6日後の11月24日のマンサニージャさん主催ライブなのですが・・・・

そのオープニングで「ファンダンゴ」という曲を踊ることになりました。実はたこはファンダンゴを習ったとこがありません。今からガチで振付を自分で作っていきます。習ったことはないのですがライブ オープニングでよく使われるので実はソロを踊り始める前、フラメンコ1年半目ぐらいから自作しライブの前座で踊らせてもらっていました。

今回はこの「習ったことのない曲の振付を作る」というのをテーマに ブログを書いていきます。お付き合いくださいませ。

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フラメンコの振付ってどうやって作るの? 習ったことのない曲の踊り方

ルールを確認する

フラメンコの本来の姿は即興のセッションです。「コンパス」というフラメンコ独特のリズム・ルールに則り合わせればその場でフラメンコという音楽が成立します。

なので理論上、習ったことのない曲でも即興で踊れるのが当たり前・・・なのですが・・・この話をされるたびに

たこ
たこ

「そんなことが出来たらとっくの昔にプロになってるわ」と思っておりました。が、「コンパス」と「歌を聞く耳」があれば踊れるはずなんで反論出来ません。

フラメンコには約30種類のリズム形態がありそのリズム形態によって分類されます。ですので「アレグリアス」や「シギリージャ」などは曲名ではなく「リズム形態の名称」です。

ファンダンゴのコンパス (リズム・ルール)

ファンダンゴには、その中にも沢山のリズム形態があるのですが、日本でただ「ファンダンゴ」とだけ言った場合「ファンダンゴ・ウエルバ」である場合が多いです。

直訳すると「ウエルバ地方のファンダンゴ」。フラメンコは民謡を元に作られているものが多いので地方ごとに特徴が出るのです。

ウエルバのファンダンゴはアロスノで生まれ、山脈を伝って首都に向かったとされているます。軽快ではっきりとした抑揚のある曲調が特徴の3拍子系のフラメンコです。

6拍が一塊の3拍子

 

  1. 1・2・3
  2. 4・5・6

以下繰り返し

このリズムに合わせて、スペインの民謡から採った詩が歌われます。

YouTubeを探したのですが、踊りの入っているファンダンゴがあまりなかったので歌中心の動画でリズムを確認して下さい。踊るときはもう少し早いリズムになる事が多いです。

El Pele y Amigos – Fin de Fiesta por Fandangos de Huelva

ファンダンゴの歌詞

特に有名なのがこの歌詞です。元は5行詩ですがフラメンコとして使う時は6行詩になる事が多いです。ですので一つの唄が「上記のリズム×6倍」となります。

通常ゼビジャーナス(スペイン春祭りで踊られるものでフラメンコを踊らない人も踊れる。日本でいう盆踊り)と同じく4番まで歌われ、ライブ・オープニングとして使われる時は踊り手が1番ずつ踊りつないでいきます。

Volví la cara llorando

Cuando salí de mi Huelva

Volví la cara llorando

Yo te dije tierra mia

con lo tu esta quedando

con lo que yo te quería

振り返ると涙が出た。

僕のウェルバを発つときに。

振り返ると涙が出た。

僕のウェルバよ、お前に言った。

お前を残していく

この気持ちと共に


上記のような歌ぶり×4つ、ののち、最後にマチョと呼ばれる総踊りが付きます。通称「アリマテ」

arrímate ay gitana mía

que yo no puedo vivir sin ti

vivir sin ti , yo no puedo más

ay gitana mía me va a amatar

来ておくれ、ぼくのヒターナ(ジプシー娘)

君なしでは生きていけない

これ以上、生きてはいけない。君がいなければ

愛しのヒターナ。君は僕を殺すつもりなのかい

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今からたこが作るのは「歌の部分」+「歌をってもらうための合図」

フラメンコは踊り手が「合図」を出すことによって展開されて行きます。ですので合図を出さなければいつまででも始まらず、むなしくギターの音だけが流れる状態になります。

ですので、自分が歌ぶりを踊り為には「歌を呼ぶ合図」=「ジャマーダ」を出さないといけません。ジャマーダには特別決まった長さはありません。

ジャマーダの役割は合図ですので、凄い人だと肩をぴくっと動かしただけで空気が一変し歌い手さんが歌いだす、という事もあります。また、サパティアードが得意な踊り手の場合は1コンパス丸々使ってトリッキーな足技で魅せ聴かせるジャマーダをする人もいます。あなたが躍る時はお好きなのをどうぞお選びください。

たこ
たこ

要はバックに展開の合図が伝わればOKです。

私は主に上記の表の1・2×2枠を全部使って合図を出しています。主流は後半2枠を使って合図を出す方法です。

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同じ3拍子系の曲からリズムを転用する

唄を呼ぶジャマーダを作ろう

私はファンダンゴは習ったことはないのですが3拍子の曲はアレグリアス・グアヒーラ・バンベーラ・ソロンゴ・カーニャなどを習ってきましたので、ファンダンゴのソロコンパスCDやYouTubeなどを聴きながら雰囲気があいそうなパソ(ステップ)をいくつか自分の脳の引き出しから出してきて当てはめ踊ってみます。

この時に出来るだけしっかりと合図が届くように、元のパソを整理して少し簡単にすることが多いです。こじゃれたステップを踏んで自爆するより簡素で分かりやすいリズムに作り替えたほうがリスクが減らせるからです。

これでジャマーダが出来上がりました。次は歌ぶりです

注意>ファンダンゴはアクセントが1から始まりますが同じ3拍子系でも12から始まるものがありますので、アレンジする際は確かめて注意しながら作ってください。

歌振りを作ってみよう

私は前回ファンダンゴを踊った時にアレグリアスとグアヒーラの振りから構成を直して使用したので、今回はバンベーラとソロンゴの振りから構成を組み立てなおすことにしました。

一応6行詩前提で作っておきます。上記のリズム表の1小節×6ですね。

ただ、ファンダンゴは8行詩で歌われることもあり、今回歌い手さんは東京から来てくださるので当日リハーサルとなり、当日まで何が歌われるかもわかりませんし当日リハーサルで歌われた歌がそのまま本番で歌われるとも限りません。

ですので、歌の切れ間、音階の落ちるところを目指して振りを展開していきます

たこ
たこ

フラメンコの踊り手は踊りながら振りを思い浮かべるよりも、歌の切れ間や落ちるところを耳をダンボにして探しています。

ですので、もし8行詩で歌われた場合はそれに合わせて振りをつなげます。正直言いますと私の脳は毎回パンクしそうな状況です。

しかも、ギターさんに「長さは最後に帳尻を合わせるのではなく、最初の2コンパスぐらいで長くなりそう、と気づき真ん中で調整し、最後は自分が主導をもって閉めろ」とおっしゃいます。

・・・・・いや・・それが出来たらプロになってるし・・・・

と思うのですが、一度舞台にのったらやるしかないのでやります。脳がフル回転しています。ボケ防止にはもってこいですね。

こうやって自分の中にファンダンゴの種を蒔いておきます。

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YouTubeで雰囲気をチェックして完成

こうやって振りを作っていきますが、上でも書いた通りファンダンゴはウエルバ地方の民謡ですので、YouTubeで雰囲気をチェックしてみます。

エバさまのファンダンゴです

Eva La Yerbabuena

Eva La Yerbabuena, Fandangos

格好良すぎる・・・溜息・・・・♡

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ファンダンゴ・デ・ウエルバ フラメンコの振付ってどうやって作るの? 習ったことのない曲の踊り方 まとめ

このようにレッスンとして習ったことがない曲でも、まずルールであるコンパスを理解し、歌をネットで調べまくり自分の中の引き出しから振りを引っ張り出してきて土地が関係している曲の場合はその土地の画像や風習をチェックし、YouTubeで曲のもつ雰囲気を確かめることで、踊れるように・・・・なるはず・・・・です・・・・

・・・・ちょっと弱気・・・

ああ・・・・19日になっちゃった。まだ、振りが出来てないぞ。一度寝て明日朝、頑張ってつくります。

24日ファンダンゴが踊れていたら!OLE!ください。

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フラメンコの曲種(種類)リズム別一覧表/2拍子・4拍子/3拍子・12拍子/自由拍子リブレ 

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