フラメンコの素敵な歌詞 グアヒーラ 「きみと結婚しよう、キューバの娘よ」
イダ・イ・ブエルタ(行って、帰ってきた)フラメンコと言われるグアヒーラ。アバニコ(扇)をもってゆったり踊られるこの曲は聞けばほかのフラメンコとは少し違った印象を受ける事と思います。
今回はこのグアヒーラをご紹介します
フラメンコの素敵な歌詞・グアヒーラ 動画
まずは動画をご覧下さい。
では、このヌメロがなぜ他のフラメンコと雰囲気が違うのか、歌詞から見ていきましょう
フラメンコの素敵な歌詞・グアヒーラ
グアヒーラの歌詞はほぼ決まっています。他のフラメンコ3行詩、もしくは4行詩なのに対し8音節の10行詩です。ホ長調・イ長調で演奏されます。
Contigo me caso indiana
si se entera tu papa
y se lo dice a tu mama
hermosísima cubana
tengo una casa en la Habana
destinada para ti
¡Ay! con el techo de marfil
y el piso de plataforma
para ti blanca paloma
llevo yo la flor de lis.
きみと結婚しよう、キューバの娘よ。
きみのお父さんがそれを知り
きみのお母さんにそれを言う。
誰より美しいキューバ娘よ。
僕と結婚したらハバナの別荘は君のもの
ああ!
アイボリー色の天井と
大理石が敷き詰められた
プラットホームみたいに広い床
白い鳩のような君
摘んできてあげるよ、ユリの花
Me gusta por la mañana
después del café bebío
pasearme por la Habana
con mi cigarro encendío
y sentarme muy tranguilo
en mi silla o mi sillón
y comprarme un papelón
de esos que llaman diario
y parezco un millonario
rico de la población.
好きなんだ
朝になったら君を見ながら
コーヒーを飲んでその後
ハバナを散歩する。
葉巻に火を点けて
ゆったりと座るのさ
自分の椅子に、りっぱな椅子に
そして買った新聞を読むのだ
大金持ちに見えるだろ
街の金持ちに見えるだろ
グアヒーラの成り立ち
最初に述べた通り、グアヒーラはイダ・イ・ブエルタ(行って、帰ってきた)系に分類されるフラメンコです。どこに行って、どこに帰ってきたのか。
歌詞からもわかるようにキューバに行って、スペインに戻ってきました。
グアヒーラは領土を広げていたスペインがキューバへ移民しその地で付けられたグアヒーロ(白人の農民者)という呼び名からきています。
1898年のキューバ戦争終戦後、多くのスペイン人移民たちは悲しみの中で母国スペインへと戻る船に乗っていました。その船には非常に美しい娘が多くいました。長く悲しい船旅の間に生まれたのがこのグアヒーラだといわれています。
一度は夢見た南米キューバ。広い大地での夢のような日常。それらが夢で終わってしまった事を、狭い船底で歌ったそうです。
Guajirito de mi pensamiento
canta, canta despacito,
a guitarra no ha de rajear
porque el cante pide puntear
我が心のグアヒーロ
ゆっくりと歌って
伴奏のギターはかき鳴らさず
やさしくつま弾いてちょうだい
ソロ・コンパス『グアヒーラス/GUAJIRAS』『1点のみメール便可』
フラメンコの素敵な歌詞 グアヒーラ まとめ
グアヒーラは1930年ごろに一度流行し、廃れ、2010年ごろから再脚光しだしました。
曲調・歌詞だけを見ていてはその曲の本当の意味を掴めないまま踊ることになります。その曲がどういう背景を持っているのか、それを知ることがフラメンコ理解へつながるのだと思います。
踊りばかり運動のように練習するのではなく、フラメンコの歴史、スペインの歴史も併せて学習しましょう
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