フラメンコの美しい歌詞 バンベーラ ♪
私の愛する人が眠っている。その姿は大天使セラフィムに似ている(ニーニャ・デ・ロス・ペイネス)
フラメンコには30種類以上の曲種があり、その中には全く意味を持たない言葉遊びや、反対に本当に美しい歌詞をもつフラメンコなど様々なものがあります。今日はその中の「Bamberas」バンベーラという曲の歌詞をご紹介したいと思います。
この曲は以前こちらの記事 フラメンコの美しい歌詞 ソロンゴ (ガルシア・ロルカ)でご紹介したソロンゴと同じく、古くから伝承されていたアンダルシアの民謡詩を採譜し、歌い手ニーニャ・デ・ロス・ペイネスが整えフラメンコになりました。では早速歌詞を読んでください。
バンベーラの歌詞
数あるバンベーラの中から私がおねだりして歌っていただいているもの
- Entre sábanas de Holanda
- y colchas de carmesí,
- está mi amante durmiendo
- que parece un serafín.
オランダ製の滑らかなシーツと
真紅の寝具の中で、
私の愛する人が眠っている。
その姿は大天使セラフィムに似ている
- Eres palmera y yo dátil
- tú eres zarza y yo me enreo,
- eres la rosa fragante
- del jardín de mi recreo.
お前はヤシの葉(註釈:ヤシの葉は手の平の形)
私はナツメヤシの実(註釈:指の意も)。
お前は野薔薇、私はその棘に絡まる。
お前は私の憩の庭の香しい薔薇。
出典は別ですが対になっているようなバンベーラ
- Allá arribita, arribita,
- hay una pila de oro
- donde lavan las mocitas
- los pañuelos de los novios.
- 遥か彼方の頂に
- 黄金の洗礼盤があります。
- 若い娘達が
- 恋人のハンカチを洗う場所
Si los pan~uelos que tienes
tu los bordadaras en los oros
no tienes valor ningumo
para las la^grimas que lloro
お前の大切なハンカチに
お前が金糸で刺繍をして
差し出しても、
私が流す涙には
何の役にも立たない。
よく歌われているタイプのもの
Vamos nina para la bamba
que te voy a columpiar
yo te dare despacito
no te vaya a marear
愛しい君よ、バンバに行こう。
僕がブランコを揺らしてあげる。
君が酔わないように。
優しくゆっくりと。
(注釈)バンバとはブランコを使ったお祭りの事のようです。
彼氏が彼女をお祭りに誘っています。
- Eres una y eres dos,
- y eres tres y eres cincuenta;
- eres la Iglesia Mayor
- donde toíto el mundo entra.
あなたは1人で、あなたは2人です。
あなたは3人で、50人です。
あなたは主な教会です 誰もが入る場所。
(意味は不明。何かの教訓?)
バンベーラのリズム形式
昔は民謡系のフラメンコがみなそうであるように、ゆっくりなファンダンゴのリズムで歌われていたようです。(3拍子系)
踊りがつくようになってからソレアのリズムが主流になり、1975年ごろからソレア ポル ブレリアやブレリア(速めの3拍子系)で踊られることが多くなりました。
主に3拍子系の部類に入ります
フラメンコの美しい歌詞 バンベーラ(ニーニャ・デ・ロス・ペイネス)まとめ
ニーニャ・デ・ロス・ペイネスの歌うバンベーラには独特の美しさがあります。
私はこのバンベーラを踊り込みをし、数回本番に出しているのですが、毎回歌い手さんの唄が違います。節回しも違います。
私のバンベーラは最後「ロマンセ」または「レブリハ」のブレリアで終わるのですが、これも地方色が強く歌い手さんによって全くちがう歌い方をされるので、勉強の足らない私は本番で踊るたびに迷子になっています。
またバンベーラを持ち曲にしている先輩に聞いたのですが、構成の決まっていないフラメンコの中でも特にバンベーラは遊びの要素が強く、打ちあわせをするよりもガチでギターさん歌い手さん踊り手がセッションした時にその良さが伝わる、と言っていました。
・・・・セッションを楽しむためには引き出しが多く必要です。
引き出しを作るために今日もせっせとスタジオにお籠りする、たこでした。
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