フラメンコの美しい歌詞 ソロンゴ &アンダハレオ(ガルシア・ロルカ)

曲種

フラメンコの美しい歌詞 ソロンゴ &アンダハレオ(ガルシア・ロルカ)月は小さな井戸花には何の値打ちもない価値があるのは、夜にわたしを抱くあなたの腕だけ

フラメンコには30種類以上の曲種があり、その中には全く意味を持たない言葉遊びや、反対に本当に美しい歌詞をもつフラメンコなど様々なものがあります。今日はその中の「Zorongo」ソロンゴという曲の歌詞をご紹介したいと思います。この曲は唯一私が歌える曲でもあります。もともと伝承されていた古い歌を詩人ガルシア・ロルカが収集し編集して整えたものです。

2020年1月宝塚歌劇団花組公演「ダンスオリンピア」のフラメンコの場面で永久輝せあさんが歌われました。

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フラメンコの「美しい歌詞」をもつソロンゴを読んでみる

早速ですが、スペイン語と対訳をお読みください。私はソロンゴの振りを3パターン持っています。フラメンコは決まった形がないので私が2回目に習って踊った時の歌詞の順番です。何を感じたでしょうか。是非教えてください

ソロンゴ

伝承部分

Las manos de mi cariño
te están bordando una capa
con agremán de alhelíes
y con esclavina de agua.

わたしの両手は想いを込めて
ケープに刺繍を指すの
ストックの花の紐飾り
波の模様の肩飾りを付けて


Cuando fuiste novio mío
por la primavera blanca
los cascos de mi caballo
cuatro sollozos de plata.

あなたがわたしの恋人だった
あの白い春の日
あなたの馬の蹄の音は
4つの銀のすすり泣き


La luna es un pozo chico
las flores no valen nada
lo que valen son tu brazos
cuando de noche me abrazan.

月は小さな井戸
花には何の値打ちもない
価値があるのは、夜に
わたしを抱くあなたの腕だけ

フラメンコにする際にガルシア・ロルカが新たに創作したと思われる部分

tengo los ojos azules
tengo los ojos azules
y el corazoncillo igual
que la cresta de la lumbre.

わたしの瞳は蒼い色
わたしの瞳は蒼い色
そしてこの心は
小さな蒼い炎と同じ色


De noche me salgo al campo
y me harto de llorar
de ver que te quiero tanto
y tú no me quieres nada.

夜、わたしは野へと出て
涙が枯れるまで泣くの
こんなにあなたが好きなのに
あなたはまるで好いてはくれない


Dice la gente que tiene
veinte y cuatro horas el día
que si tuviera veinte y siete
tres horas más te quería.

1日は24時間だというけれど
27時間あったならば
3時間も余分に愛せるものを


Este gitano está loco
pero loquito de atar
que lo que sueña de noche
quiere que sea verdad.

このヒターノ(ジプシー)は気が変だ
縛っておかねばなるまいよ
夜、夢に見たことを
本当のことだと思っている

ZORONGO GITANO (LETRA de FEDERICO GARCIA LORCA)
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アンダハレオ(ブレリア)

Yo me subí a un pino verde
por ver si la divisaba,
por ver si la divisaba
Y sólo divisé el polvo del coche
que la llevaba,
que la llevaba.

緑の松に登ってみた
あの人の姿が見えぬかと
見えたのはあの人乗せていく
馬車の砂ぼこりだけだった


Anda, jaleo, jaleo;
anda, jaleo, jaleo;
Ya se acabó el alboroto
y ahora empieza el tiroteo,
y ahora empieza el tiroteo.

さあ、銃をもて行こう
どんちゃん騒ぎ(戦争)が終わったら
今度は復讐の戦いが始まるよ

"Anda jaleo". Marisol – Pepa Flores. La nueva cenicienta.

▼▼▼宝塚花組「ダンスオリンピア」フラメンコのシーンのラスト永久輝せあさんがアンダハレオを歌われました▼▼▼


 

【ソロンゴへ戻る】

La luna es un pozo chico
las flores no valen nada
lo que valen son tu brazos
cuando de noche me abrazan.

月は小さな井戸
花には何の値打ちもない
価値があるのは、夜に
わたしを抱くあなたの腕だけ

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フラメンコの美しい歌詞 ソロンゴ&アンダハレオ まとめ

ロルカは詩人であり、劇作家であり、ピアニストであり、画家。スペイン内戦のおりフランコ政権により弾圧・暗殺され作品はしばらく発禁になっていました。

習った当初スペイン語が分からなかったので、先生にお願いして歌詞を書いてもらいました。これは私が習った構成でのソロンゴで、フラメンコの場合は作る人が違えば意味も変わってきます。数あるソロンゴの1パターンだと思ってくださいね。

特に後半のアンダハレオの部分はつかないバージョンが多いです。実はもっと長い詩なのでアンダハレオだけで独立して歌われる場合もあります。

スペインの詩は実は日本と同じように音の韻を踏んで組みてられるので、音読するととても美しいです。特にこのソロンゴは覚えやすいので口ずさんでもらえると嬉しいです。

▼▼▼フラメンコの種類リズム別一覧へはこちらから▼▼▼

フラメンコの曲種(種類)リズム別一覧表/2拍子・4拍子/3拍子・12拍子/自由拍子リブレ 

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