【みんな、ありがとう】不器用なアイドル・キスマイ横尾渉のどうしても伝えたい言葉
【みんな、ありがとう】
どうしても伝えたい言葉としてKis-My-Ft2 (通称キスマイ)の横尾渉さんがキスマイファンのバイブル「裸の時代」のご自分の項の締めくくりに挙げていたこの言葉を読んでわたくしごとながら涙が止まりませんでした。
実は私の母の最期の言葉が「みんな、ありがとう」なのです。(Twitterでは毎年母の命日10月20日にフォロワーさんに伝えているのでご存じの方もいらっしゃるかも)
編集者さんに「自分のインタビューはいつですか?どうしても伝えたいことがあるんです」と伺い、この言葉を伝えたかった今は広い世代に愛されているアイドル横尾渉さんをご紹介します。
エリートジュニアとしてのスタートと挫折感、救った先輩たち
栄光と挫折
横尾さん(愛情を込めての「さん」よび)はジュニアの活動を本格的にはじめて2か月ほどでジュニア内グループに属した超エリートとしてアイドル活動を開始しました。ジュニア内でグループに属する事、すなわち将来のデビュー組候補生です。
堂本光一さんの「shock」で光一さんに抱かれてフライングしたり、草彅剛さんのバックの代役で韓国でパフォーマンスをしたり。そんな横尾さん1回目最大の挫折感を味わったのが所属していたジュニアグループが「NEWS」となってデビューを発表した時の事。発表前に自分がメンバーに入っていないことを知っていた横尾さん。
2回目がその後キスマイの前身になるグループメンバーになるもエリートジュニアとしての経験などから他メンバーを見下す意識があり(本人談)衝突がおおく、ある舞台で7人中5人のみの出演に「いらないって事務所が判断したんだ。」と感じた時。その時先輩の言葉と行動に救われました。
二宮和也・亀梨和也との出会い
亀梨さんのファンだった横尾さんは亀梨くんに「横尾が料理人でも美容師でも一緒に遊びたい」と言ってもらって「同じアイドルという立場でいたい」と思ったそう。
二宮さんには上記の舞台中、参加した二宮さん主演ドラマ「フリーター家を買う」に出演した時に先にクランクアップした大先輩のニノが横尾さんのクランクアップを3時間も待ってお花を渡してくれました。スタッフさんか監督からのねぎらいかと思っていたのに主演のしかもとても忙しいニノが待ってくれていたことで感情と涙腺が爆発。大泣きしてしまった横尾さん。ここでやめることを一度思いとどまりました。(思いとどまってくれてありがとう)
二宮和也という人は人間観察の良く出来るかただと有名ですが、後輩である横尾さんの当時の気持ちをシッカリと把握しお花を渡す、という行動だけで彼の心を救った本物のヒーローだと感じました。
メンバーとの絆
殆どのメンバーと最初ソリの合わなかった横尾さん。わたたいで有名な藤ヶ谷太輔さんでさえ「最初は嫌いだった」と言っています。
上記の5人の舞台後、周囲にはキスマイがデビューするなら5人でのデビューではないか、という空気が流れます。そんな中でグループの柱的存在である北山宏光さんと藤ヶ谷太輔さんが社長に「デビューするなら7人で」と直談判に行きます。
そしてあの「茶封筒の日」を迎えるわけです。
やめるなら10年後にしろ 藤ヶ谷太輔
「茶封筒」でデビュー日が伝えられた時、会場にいた家族やファンの喜んだり泣いたりする姿を見て喜びの後、1回目のデビューが流れた事、その後の出来ごとなどがフラッシュバックして「本当に自分もデビューしていいのか」と悩んだ横尾さん。
藤ヶ谷さんに「デビューの日、オレいないかも」と打ち明けると「何言ってるの。ファンの子もびっくりするだろ。やめるなら10年後にしろ」とバッサリ。その勢いで「はい」と答えてしまった横尾さん。(藤ヶ谷くんありがとう)
それ以降「キスマイに自分が何を還元できるのか」を考えるようになり、グループが円滑に動くよう仕事で抜けた人への連絡役、それこそメンバーがちゃんと食事出来ているかなどのメンテナンス、そして今の実力では一緒に仕事をしたい人(スタッフ)とも仕事をするチャンスは回ってこない、と察した横尾さんは自身のスキルアップの為のお稽古を人知れず続けることになります。
自主的な行動だったのでメンバーは「なぜこんなに丁寧に連絡事項や仕事内容などマネージメントしてくれるのか」不思議だったようです。
そこから横尾の積み上げが始まりました。
キスマイ横尾渉さんの近年の活躍
お茶の間に浸透するアイドル
キスマイ横尾渉さんは人気バラエティ「プレバト」俳句コーナーの名人としてジャニーズに興味のない年齢層や男性にもとても馴染みのある人気あるアイドルです。うちの父はアイドルには全く興味はありませんが「強火横尾名人担」です。シニア世代の男性をも魅了するアイドル俳人 キスマイ横尾渉・千賀健永・北山宏光 プレバト
横尾名人の俳句はある時期を機に「アイドル俳句」から装飾を抜いた「俳人の俳句」へ確実にステージが上がっています。2019年最初までは「上手いな」という印象でしたが後半からは有無を言わせぬ深みを持ち始めました。
その深みは横尾さんが所属する「キスマイ」といいうグループの成長とピッタリ重なります。「アイドル」という装飾を抜いた純粋な「俳人」としての深みが「アイドル」としての横尾さんの歩みとピッタリ重なるその妙に人間の成長の不思議を感じ、誰が何といおうと彼は「アイドル横尾渉」であることの証明となります。
「いぬのきもち」に連載を持つ
「いぬのきもち」「ねこのきもち」は犬飼い猫飼いの間でのバイブルとして誇る雑誌です。私も子供のころからの犬飼いでずっと愛読しています。
その伝統ある雑誌にキスマイの横尾さんが連載を持っているのですが、ただの犬好きだからの採用ではなく「ペット介護士」という資格を保有しているアイドルとしての視点からの採用です。
料理番長横尾
「水回りの横尾」という異名を持つ横尾さん。日本に数人しかいない「マグロ解体士」の資格も持っており本格的な料理から100円で出来る料理までさまざまな角度から料理を研究しています。
ファンの間では横尾さんの考案した料理を再現するのが流行、家庭で作れるのにとても美しく見えるその料理に以前から「横尾さんのレシピ本を出版してほしい」という声が上がっていました。2021年お正月「10万円でできるかな」特番の書初めで「100円レシピ本」と書いた横尾さん。メンバーからも「それはいい!」「あり得る!」との絶賛のなか共演のサンドウィッチマンも「採用!」の声。100円レシピの時の自宅で料理する横尾さんがとても格好いいので是非、そのダイジェスト動画&撮りおろし動画を収めたDVDを付録に出版していただきたいです。感涙!「キスマイの【じゃないほう】なんて居ないよ」サンドウィッチマン
「10年後」にあたる「2021年8月」
藤ヶ谷さんが「辞めるなら10年後にしろ」と言った10年後が今年の8月にやってきます。
ここからかなり私的な話になるのですが私の母は私が学生の時に乳がんで亡くなりました。本人の強い願いで息を引き取る前日に酸素吸入機などを全て取り外し、自宅に戻って最後の時を迎えました。私はお医者様に渡されたモルヒネを手に母の最期を看取りました。
私のようなど素人の処置なので非常に苦しかったはずです。私を父と間違って「猛ちゃん」と呼びながら抱き着いてきました。そんな母が苦しい息の中最期に発した言葉が
【みんな、ありがとう】
の9文字でした(息継ぎが大きかったので「、」も言葉だと理解しています)。私は意識が朦朧としている中でその言葉を言った母を尊敬していて毎年10月20日にそれまでの1年間でちゃんとありがとう、と伝えられたかを振り返るようにしています。
その9文字をそっくりそのまま活字で見ることになるとは思っていませんでした。
キスマイバイブル「裸の時代」の横尾さんの項のラスト、どうしても伝えたかった言葉として挙げられた
【みんな、ありがとう】
の文字を見た瞬間、涙が溢れました。横尾さんは私が学生時代から愛読していた「銀河英雄伝説」の2012・13年舞台化「舞台・銀英伝」で私の推しキャラ・キルヒアイスを演じたのですが私の長年の解釈とインタビューなどで語られる横尾さんの役の解釈の違いから少し距離を置いていました。この舞台の二階堂さんについてはよくツイートするのに横尾さんについてはツイートしないのは何故ですか、と質問をいただいた事があるのですが横尾さんの解釈が理解できなかったからです。
2019年に(一方的に)再会した横尾さんは何故か感覚的にしっくり着てよくツイッターで横尾さんのツイートをしていました。舞台・銀英伝での私の感想を知っている古くからのフォロワーさまは戸惑われたようです。私自身も何故こんなに横尾さんの話をしてているのだろう、と不思議に思っていました。
が、この本を読んであの9文字を読み、その後私が距離を取っていた約7年の横尾さん・キスマイの歩みを知る事で彼らの葛藤と挑戦・成長に強く感銘を受けました。
藤ヶ谷くんが横尾さんに言った「10年後」がもうすぐやってきます。この10年で横尾さんは様々なスキルを身に着け資格を取ってこられどの道でも結果を残していますが、なによりも「キスマイとしての横尾渉」の掘り下げの深さと昇華に勝るものはありません。キスマイにいなくてはならないかけがえのない人なのです
【みんな、ありがとう】不器用なアイドル・キスマイ横尾渉のどうしても伝えたい言葉 まとめ
「みんな、ありがとう」たった9文字ですが、不器用なアイドル横尾渉のこの言葉には宇宙のような静かで深い真理を孕んだ言葉だと言えます。
きっとジュニアの頃から横尾さんの芯の部分はとてもピュアで素敵な魂を持ていたのでしょう。そうでなければこれだけ大勢のファンを虜にすることは出来ませんし、それを維持しさらに拡げることは不可能です。その魂を己の努力で強くしたのも横尾さんの魅力です。
横尾さんはよく自分のファンに向かって「オレンジのみんな」と声がけをします。以前はファンに対して塩対応と言われていたようですが、少なくとも私が知る限りではいつも「オレンジ」を大切に抱いて活動しているように感じます。
「みんな、ありがとう」と声に出して言える人は本当に素敵で尊敬します。
今回のテーマはいつにも増してわたくし的な要素が含まれましたので、以前から書きたいと思っていたのですが書けないままでした。執筆を終えた今も公開しようかするまいか迷っています。一晩寝かせて公開するか否か決めたいと思います。