キスマイ二階堂高嗣がプレバト俳句に呼ばれる理由|だから俳句は辞められない
過去25回というゲストの中では最多出演しているにも関わらず特待生になれないキスマイ二階堂高嗣さん(以下ニカちゃん)と戸惑いを見せた2021年1月7日のプレバト俳句。
今回は何故ニカちゃんがプレバトに呼ばれ続けるか、考察したいと思います。
キスマイ二階堂高嗣くんの詠んだ俳句
23回目 小高の地心に刻む春日傘 才能あり
25回の出演中(2021年1月現在)10回の「才能なし」をたたき出しているニカちゃん。そんなニカちゃんの詠んだ俳句の中できらりと光るものもいくつかあります
小高の地心に刻む春日傘
キスマイのCDデビューは2011年8月10日。2月12日に発表された本来の予定では5月にデビューが決定していたのですが同年3月11日に発生した東日本大震災を考慮して、デビューが3か月先延ばしになりました。
キスマイメンバーはこの災害に何かできないかとボランティア企画に参加、それ以来毎年3月に福島県小高に訪れ当時接したした現地の人々と交流するのが恒例となったニカちゃん。
この句はまだ積み上げた土の袋がそのまま置かれているのをみながら小高を歩いている情景を謳ったものです。このようにニカちゃんの俳句は【実体験】を謳ったものが多いのです。
ちなみに今は個人的な意思で小高に毎年通って交流を続けているニカちゃん。MCの浜田雅功さんも思わずぼそっと「こういうところが偉いところなんだよね」とにっこりコメントしています
25回 青春酸いも甘いも鬼走 才能なし
才能なしとなったこの句ですが、キスマイ本人とファンにとってはとても感慨深い句です。
キスマイは2005年の結成、その後CDデビューまで6年の月日が掛かっています。その間、様々な先輩のバックにつきパフォーマンス能力も高くjrの中でも人気を誇っていましたが、後輩にデビューを抜かれしかもそのデビューライブにバックにつくというはたから見ても辛い出来事がありました。
そのようなjr時代の心境を謳ったのがこの句です。毎週土日でレッスンがあったのですがその時に社長のジャニー喜多川さんがお昼代に500円をくれるのだそうです。それでキスマイのメンバーとラーメンを食べながら悔しい気持ちや将来の夢を語り合い高めあったのでした。
この想いを知った夏井いつき先生は、何とかニカちゃんの想いを俳句として形にしてあげようと、添削していきます。
『一杯のラーメン デビュー夢見し冬』
・・・一文字もニカちゃんの句が残っていません。以前改作はしないとしていたいつき先生が改作してでもニカちゃんやジュニア時代のデビューを夢に見てラーメンを食べながらお稽古に励んでいたキスマイの気持ちをまとめてくださいました。
「この子は大事なところを落とす」「だったらやれよ!」など強い言葉で直しを入れていくいつき先生ですが、その目には「この子が愛おしい」という色があふれています。
何故愛おしいのか、それは出来はどうであれとても勉強をしているからです。
素直で勉強熱心なキスマイを愛する夏井いつき先生
キスマイは上記のように下積み時代が長かったことから、狂気のように勉強をする癖がついているようです。普段の楽屋でも俳句の勉強をしているメンバーがいて、その様子から次はだれがプレバトに呼ばれているかわかるそうです。
名人の横尾渉さんも普段から「歳時記」などを読み込んでいて同じく名人の千賀健永くんも視覚やイメージを文字にする感覚の鋭さがあり情景的にも絵画のように非常に美しい句を詠みます。
特待生の北山宏光さんも洞察力の凄さから、きらりと光る句を詠んでいて周囲の頸をうなづかせる力があります。
そしてニカちゃんも同じく勉強熱心で「季語を調べるのが楽しい」「(先生の添削後目をまん丸にして)すげ~!!」「(目をキラキラさせながら)だから俳句は辞められない」と発言し、周りの暖かい笑いを呼んでいます。
プレバトはバラエティですから、番組としても場の明るい笑いはとても重要です。非常にユニークな句を詠んでしまい先生に「やれよ!」と叱られ場が盛り上がり、その後に素直に添削に反応し出来上がった添削句に「凄い」「(自分の句が作り方や言葉のチョイス次第で劇的に変わるなんて)だから俳句は辞められない」と言って暖かい雰囲気を作れるニカちゃんは制作者から見てもとてもありがたい存在だと思われます。
鬼走 で経済的にも貢献する二階堂高嗣君
才能なしになった25作目の句ですが、ここに季語として使われた「鬼走」がニカちゃんが使ったことで経済的な刺激になっています。
滋賀県湖南市の長寿寺と常楽寺で一月中旬に行われる伝統行事。
住職の読経が響くなか、本堂内を赤鬼と青鬼に扮した数え年十五
の男子が槍や太刀を持って走り回り、悪霊追放や家内安全などを
祈願する。奈良時代に始まったといわれ、古くは大人社会の仲間
入りの儀式であった。
その「国宝長寿寺」の公式Twitterアカウントです
昨晩放送のテレビ番組「プレバト」の俳句のコーナーで長寿寺の法要「鬼走り」を紹介していただきました(^^)
おかげでお寺の公式HPのアクセス数が10倍に‼️
普段が少なすぎるんですけど(笑)#長寿寺 #湖南三山 #プレバト #夏井先生 #俳句 #季語 #鬼走り https://t.co/x6K5xvEq3C pic.twitter.com/zPnSDusVbH— 国宝長寿寺【公式】モミジの参道と山野草 (@chojyuji) January 8, 2021
このようにニカちゃんがジュニア時代を表す季語として「鬼走」を使ったことで国宝長寿寺のアクセスが増えたという事は、今後キスマイファンが「聖地巡礼」としてきっと訪れる可能性が高いです。お寺に訪れるには交通機関を使ったり食事をしたりお土産を買ったり。
このようにニカちゃんの俳句で経済が動き出す、というアイドルの影響力のよい使い方を自然に出来るのも二階堂さんの才能であり番組制作者も「使いたい」「よびたい」と思わせる事につながっているのでしょう。
清潔感あふれるビジュアルの良さも番組的に呼びたくなる理由だと思います。
キスマイ二階堂高嗣がプレバト俳句に呼ばれる理由|だから俳句は辞められない まとめ
このように「本人」はしている事が自然すぎて自分の成績をみて「なんで番組に呼ばれているのかわからない」となっているのですが、製作者から見ると「様々な魅力をふりまくので場が盛り上がったり引き締めたり出来るので是非使いたいアイドル」であり、その行動や言葉で経済までうごかしてしまう影響力も、成績に関係なく「呼ばれる理由」となっているのだと思います。
1月7日の番組内で「今後続けるか帰りに入り口で伝えて」と言われていましたが、プレバトは学び系バラエティである為、二階堂さんのように「添削される作品」があってこそ視聴者の役に立つので今後も続けていただきたいし、番組内で梅沢富雄永世名人が言っていたように「そろそろ飛躍する」雰囲気もあるようなので見守っていきたいと思います。
「頑張る子は偉い」のです。(夏井いつき先生が千賀健永さんへ贈った言葉)