フラメンコの種類 と 現代フラメンコ フラメンコの歴史
バレエに「クラシック」と「モダン」があるように、フラメンコにも大きく分けて2つの流れがあります。今日はフラメンコの種類についてご案内したいと思います。
フラメンコの流派
フラメンコには「プーロ」と呼ばれるものと「モデルノ」と呼ばれる2つの流派的分岐があります。少し解説してみます
プーロ フラメンコ
プーロとは「純粋な」という意味をもつスペイン語です。「純粋なフラメンコ」
純粋なフラメンコとはどんなフラメンコでしょう?
以前フラメンコ、水玉の謎でも紹介したようにフラメンコの元になったものは古い上に流浪の民の為、文献としてハッキリ残っているわけでもなく曖昧な定義がされています。
フラメンコを演じるジプシー(ロマ)は11世紀ごろに北インドを追われ、中東、北アフリカを流浪、経由しながら、15世紀ごろにスペインにたどり着いたとされています。流浪の途中でその土地土地特有の音楽を取り入れつつ、最終的にスペインの土地の音楽、ホタと結びついて出来上がった音楽形式がフラメンコです。
この15世紀ごろに出来上がった形式を発端とするなら、ここが「純粋な」フラメンコという事になります。なんとなく土臭い香りのするフラメンコのことを指す、という人もいます。
現在の演じ手で言えば、マヌエラ・カラスコなどに代表されるような流派です。
モデルノ フラメンコ
こちらは字のごとく「モダンな」フラメンコのことです。バレエなどのテクニック(回転や、立ち方など)を取り入れて踊られます。
イスラエル・ガルバンなど前衛的なフラメンコを演じたことを幕開けに、様々な音楽形態や踊り形態が取り入れられてきました。
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今現在は
しかしフラメンコの成り立ちを見てわかるようにこのフラメンコという音楽は貪欲に現在進行形で新しいものを取り入れ続けています。そう、今現在も新しいものをどんどん取り入れて進化しているのがフラメンコなのです。
「プーロ」と「モデルノ」は相いれないものではなく、お互いに溶け合い融合したりしながら新しいフラメンコを作り続けています。
現代フラメンコのきっかけ
カフェ カンタンテとタブラオの出現
100年ほど前のフラメンコの録音を聴くと、とても難しく私のような一般人が理解するのは難解です。そのようなフラメンコが一般にわかりやすく表に出てきたのにはきっかけがあります。洞窟で踊られていたジプシーの踊りが一般に出てきたのは19世紀末ごろ。「カフェ・カンタンテ」と呼ばれる居酒屋の出現で、そこで演じられるようになってからの事です。
それまで、歌とギターが中心だったものに見栄えよく踊りが加わり整えられました。
20世紀にはいると「タブラオ」というフラメンコ専用のライブハウスが現れました。この前後に音楽のジャンルとして名称が必要であろう、という事で「フラメンコ」という言葉が生まれました。
ですので「フラメンコ」という言葉自体は150年ほど前にできた言葉です。
ちょっと余談ですが、私は幼いころから宝塚が大好きでよく家族で見に行くのですが、今から150年以前を舞台にしたスペイン物の中で「フラメンコ」という言葉が使われることがあります。思わず心の中で「その頃、フラメンコは存在しないよ~~」と心の中で思っちゃったりします( ´艸`)
パコデルシアやアントニオ ガデス
一般に出てきたこの音楽を一般人にもなじみやすく整えたのが、約50年ほど前のパコデルシアやアントニオ ガデスなどの世代です。
彼らが音楽形態を整え今に続くフラメンコの道を作りました。
この方々がいなければ、音楽に詳しくない一般人がこうもフラメンコに親しく接することは難しかったのではないかと思います。勿論、一般人にわかりやすく整えたことで当時は「フラメンコらしくない」とも言われたようですが。今、日本でも歌舞伎が様々な試みをして生き残りを模索しているようにフラメンコも現在進行形の芸能として腐らせず継承させるための創意工夫という作業が不可欠なものであったのではないでしょうか。
それが成功して、現代フラメンコの形が出来上がってきたのです。
フラメンコの種類 と 現代フラメンコ フラメンコの歴史 まとめまとめ
フラメンコには2つの流派があります
- プーロ(純粋な)
- モデルノ(モダンな)
しかし2つは相反するものではなく、時には融合したりして完全に離反したものではありません。
フラメンコは生きている芸術であり、現在進行形の芸能であることから、今後どのように進化していくかを楽しみながら体感していくことがフラメンコの醍醐味と言えるのかもしれません。
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