樋口新葉のフラメンコ(ブレリア)全日本フィギュアスケート選手権2019女子フリー第2位
先日行われた全日本フィギュアスケート選手権2019女子フリー第2位の樋口新葉選手が使っていた音楽はよくある「フラメンコ風」ではなくガチのフラメンコでした。
日本にはないリズム形式の音楽なので見ていて戸惑った方もいらっしゃるのではないでしょか?
今回はこのブレリアについてご紹介します。
樋口新葉のフラメンコ(ブレリア)動画
まずは予備知識なしで動画をご覧ください
樋口新葉 ブレリア
前半は解説でも言っている通り「ビゼンテ・アミーゴ」の「ポエタ」です。
後半部分は「ジノ ダウリ」の「ブレリアス」です。
ポエタはオーケストラの入ったアレンジフラメンコ。後半は普通にフラメンコとして踊られる形式のギターとパルマ(手拍子でのフラメンコです)
ビゼンテ・アミーゴのポエタ
3歳の時にテレビで見たパコ・デ・ルシアの演奏でフラメンコ・ギターを知り、8歳の時にギターを弾き始めるた。アンダルシア州、セビージャ県コルドバ出身。
フラメンコギターのマスター、フアン・ムニョス“エル・トマテ”やメレンゲ・デ・コルドバに師事。10代にはマノロ・サンルーカルのグループに加入。
1980年代末にソロ活動をはじめ、ラ・ウニオンやコルドバのコンクールで優勝し、脚光を浴びる。1990年代に入るとデヴィッド・ボウイの前座を務めた。1997年にPoeta(邦:『ポエタ』)をリリース。Poetaのタイトル・トラックはフィギュアスケートのテーマ曲として、ソニア・ラフエンテや、ステファン・ランビエール、北村明子、金彩華、太田由希奈らによって使用されているフィギュア界ではおなじみの曲です。
ポエタ(AmazonでCD購入できます)
樋口新葉の踊ったフラメンコ(ブレリア)とは
ブレリア
フラメンコには4拍子系と3拍子系のリズムがあり、ブレリアは3拍子系の代表的なリズム形式です。
ブレリアだけでも演奏されますし、3拍子系の他の曲の後半部分に使用されることも多いです(というか、3拍子系の曲はほぼブレリアで締めることが多いです)
そして、ライブなどで出演者紹介もかねて、フィン・デ・フェスタとして一節づつ踊り継いでライブを盛り上げたりします。
では「フラメンコライブでのブレリア」の動画を見てください
フラメンコライブでのブレリア フィン・デ・フェスタ
このようにライブの終わり主に出演者紹介が終わった後、もうひと盛り上がりして幕を閉じる。という風に使われます
これを氷の上でやる樋口新葉さん、凄いです
ブレリアのリズム
中継を見ていたフィギュアファンの方は、リズムが不安定に聞こえたのではないでしょうか?実は3拍子系と言っても、3拍子と2拍子が混じっている変拍子なのです。
どのように混じっているかというと
12拍の中で 3・3・2・2・2
ピンクの数字がアクセント位置
という形で3拍子と2拍子のリズムが織り込まれています。フラメンコの3拍子系の曲のほどんどがこのような変拍子です。
このようにリズムが変わるからこそ、あのフラメンコ独特のノリが生まれるわけです。普通に生きていたら出会わないリズム形式です。
樋口新葉さんはこの独特なノリをシッカリと表現されていましたね。だからこそ、滑走のあとのあのガッツポーズが出たのでしょう。
因みにこんな変な( ´艸`)リズム形式がどうして生まれたのか・・・
来日して教室のソファでくつろいでいたヒターノ(ジプシー)の歌い手ファン・ビジャール(当時はジュニアと名乗っていた)に突撃インタビューしましたら
「さあ、ご先祖様の中に変わったやつがいて、常識では考えられないことを思いついちゃっただけなんだと思うよ。多分理由なんてないよ」
とスペイン語で話してくれました。
生粋のジプシーの歌い手が分からないのに、スペイン人ですらない外国人の私たちがあれこれ難しく考えても仕方がないので、純粋に音楽としてその変化を愉しんだらいいのではないか、と思うわけです。
樋口新葉のフラメンコ(ブレリア)全日本フィギュアスケート選手権2019女子フリー第2位 まとめ
樋口選手が踊られていたのは
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前半「ビゼンテ・アミーゴ」の「ポエタ」・後半「ジノ ダウリ」の「ブレリアス」
是非フィギュアファンの皆様にもフラメンコに興味をもって頂きたいな、と思いますし樋口新葉さんの今回のプロを研究&練習される方は、滑る前にブレリアの知識を入れておいたほうが練習しやすいと思いますし、次に樋口新葉さんが踊られる時にアクセント位置など知っていると、見ていて面白いと思います♪
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