フラメンコの裏打ちのコツ |リズム音痴の為のコントラ・ティエンポ練習方法
フラメンコを愉しんでいてすっごく気持ちよくなる理由に「コントラ・ティエンポ(裏打ち)」の存在があります。
幼児教育の勉強をした方なら知っているかもですが日本語は全て表拍で発音されるため、自分に持っていないリズムが出てくると麻薬のように刺激され気持ちよくなるのです。
因みに日本語以外の言葉は裏拍が存在します。ですので日本以外で生まれた人は生まれた瞬間から裏拍に接して過ごしています。日本人、圧倒的不利!!
しかもほとんどの日本人が苦手と感じている裏打ちをリズム音痴を自覚しているものが修得しようと練習しているときには地獄のような苦しみを感じる(感じている)のではないでしょうか。
わかる、わかりますよ、その苦しみ。
という事で今回はフラメンコのコントラ・ティエンポ(裏打ち)を修得する方法をご案内します。
裏打ちってなに?
拍と拍の間が裏拍です。フラメンコではここに足音を入れることが多いです。
よく考えればシンプルなんです。
- 裏と裏の間は表で、これは打てる。
- 表と表の間は裏で、これは打てない。
ね、変でしょ。これは【裏は難しい】という思い込みのなせることで実はとってもシンプルだという事が分かります。
圧倒的に経験が少ないので【難しい】と感じてしまう。それこそ遺伝子上の経験値が少ないのでそう感じてしまうので仕方ないのです。当たり前の感情です。
ちょっと気が楽になりましたね。
経験が浅くて出来ないなら増やせばいい。解決方法もシンプルです。
裏打ちが上手くなる練習方法
メトロノームに合わせてゆっくりの速度から練習しよう
メトロノームを用意しましょう。これなら今すぐ用意できます。
まずは表が正確に打てるぐらいゆっくりゆっくりした速度で鳴らします。
【こんなの幼稚園児でも出来るわ】と感じるぐらいまで速度を落としてくださいね。
そこで表が打てるようになれば、あいだ・間に音を入れて手拍子を叩きます。
自分で自分を馬鹿にしているのか、ってぐらいゆっくりの速度で始めてくださいね。(ちょっと悲しくなるけど)
この時に録音をして客観的に【打てている事】を確かめて下さい。打てるようになってきたら徐々に速度を上げます。
速度を上げる前には必ず録音をして確かめる。OKが出たら速度を速める。の繰り返し。案外・・・出来てません苦笑。
時間をかけて繰り返します。
メトロノームと裏表を交換する
実はメトロノームを表・自分が裏を打っていると大きな落とし穴にはまることがあります。
裏は間裏に入っていなくても裏として捉えられるので自分のリズムが揺れていても小節の初めの表の音を聞いて無意識に帳尻を合わせてしまうのです。主導権をメトロノームにゆだねてしまい主体性のないままのリズムで練習することになるので、いざ機械的なメトロノームがなくなると、帳尻を合わせられなくなり崩壊します。
主体性のあるリズムが出せるようになるために、メトロノームの音を裏として感じ、自分が表としてゆっくりした速度で練習をします。
表はど真ん中に入っていないと表の役割が果たせません。実は裏を打つよりも数倍難しいのです。
これも必ず録音しながら練習して、ちゃんと自分の音が表・メトロノームが裏と聞こえるようになったら速度を徐々に速めていきます。
足を入れてみよう
メトロノームに慣れてきたら、手と足で同じことを繰り返します。
どんなことがあっても狂わないメトロノームを止め、自分の手と足で上記の練習をもう一度繰り返します。
まずは
足を表
手を裏
必ず録音してください。ちゃんとリズムに聞こえたら速度を速めていきます。
次に手と足の役割を交換して練習します
手を表
足を裏
勿論録音して必ずチェックします。自分の感覚を信じてはいけません。
練習の時は徹底的に客観視する癖をつけましょう
ひたすら練習します。練習期間は人それぞれ、私は【普通にリズムがくるってる】くらいになるまでに2年【まあまあ入ってきたな】ぐらいまでに3年かかりました。
勘のいいひとなら1・2週間で出来るようになります。
なので人それぞれです。ただ勘がよくても練習をしない人が大半なので2年・3年かかっても練習した人の方が結果的に上達しています。
よく言われますが【やるかやらないか】はその人次第です。
フラメンコの裏打ちのコツ |リズム音痴の為のコントラ・ティエンポの練習方法 まとめ
ここまでやって、いざ実践してみようとしても最初は上手くいきません。
仕方ありません。上記でも書きましたが【経験】が圧倒的に少ないのですから。
ですのでがっかりすることはありません。
パルマ(手拍子)の裏打ちにしろパソ(足)の裏打ちにしろ、練習でいっぱいいっぱい失敗と成功を経験していけば自分比では必ず上達しています。
主体性のあるリズムを出せるようになるには精神的な強さも必要になります。思い切ってリズムを出してみましょう。
ちゃんと考えた上での挑戦ならレッスンで失敗したって先生は怒りません。失敗した場合、先生から指導はされると思いますが指導内容を把握し改善していけばいいのです。
比べるのは周りの人ではなく【昨日の自分】【1か月前の自分】【1年前の自分】にしましょう。
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