【フラメンコの踊り手は楽器】と考えれば、フラメンコが理解しやすくなる

ライブ

【フラメンコの踊り手は楽器】と考えればフラメンコが理解しやすくなる

この意識を持つまでに10年ほどかかりました。苦労してこの事がやっと腹落ちしたのでなので、本当はブログに書きたくないのですが「踊り手は楽器だ」という意識を持つことによっていろんなことが楽になり、そして楽しめるようになったので是非お伝えしたいと思います。

スポンサーリンク

フラメンコという音楽はどうやって出来ているのか

フラメンコの踊り手は楽器である

フラメンコは「歌い手・ギター・踊り手の三位一体」で作り上げられる音楽だといわれています。フラメンコには決まった構成は存在しません。歌い手は自分の歌いたい歌、ギターは自分の弾きたいメロディ、踊り手は自分が奏でたいリズムを持って集まり、【コンパス】というルールの中でそれぞれが自分の手の内を披露しながら時間を共有することで作品を作っていきます。なので、リハーサルと本番が全く違うものになるという事もあります。セッションを楽しむ、というのがフラメンコの究極の楽しみなのです。

この時に踊り手の意識がどこに向いているかで随分と印象が変わってきます。

意識が振りばかり追っていた時期

私は最初の5年間は意識が振りばかりに向いていて、フラメンコの音楽性の大切さに気付いていませんでた。勿論、足で音を出しているのですからリズムが大切なのはわかります。でも必死に振りを追っていました。人間いくつも同時に出来るものではありません。振りを追うとそればかりになり、肝心のリズムがおえなくなります。

リズムがおえない踊り手は暴走し、仕方がないのでギターさん、歌い手さんが暴走した踊り手に合わせてくれます。そうなると、セッションどころではなくなってきます。

私はフラメンコを始めて2年目ぐらいからソロで踊らせていただく機会を得るようになったのですが、その時期がまさにこの状態でした。

リズム音痴の上に振りばかり追うので暴走し、ギターさん、歌い手さんが必死に合わせて下さっている状態でした。

今からタイムマシンでこの時期のたこに会いに行って、頭にハリセンをくらわしてやりたいです。大切なのはそこじゃないんだよ、この馬鹿物!!

ある日ギターさんに言われました。

「たこちゃん、踊り手はね、打楽器なのよ。学生の頃、音楽の時間に鼓笛隊とかで太鼓を叩いたことない?その時、何を大切にして打っていた?」

「リズムです」

「リズムを合わせるために、どこを見てた?」

「楽譜のアクセントです」

「ほら、答えが出たじゃない」


この一言で自分の中に「音楽」をしている、という意識が芽生えました。

スポンサーリンク

フラメンコを踊るとは音楽を奏でる事

意識が音楽の方に向いた

ギターさんの一言で自分が「音楽」をしているのだという事にやっと気づいたフラメンコ5年目のたこさん。ここから「わからない」のジレンマが始まりました。

音楽だと思わず振りを追っていた時はかなり自由にのびのびとかってに動いていました。正直、ギターもパルマも聞いているようで聞いていなかったと思います。

幼稚園の頃から競泳で鍛えた身体はかなり良く動きますし、パワーで押していました。が、いったん自分が「音楽の一部」だと気づいた瞬間、むやみに動けなくなりました。

自分は幼稚園の頃から自他ともに認める「リズム音痴」

一音出すだけで、合っていてもすべてが狂っているように感じるのです。自覚したリズム音痴さんには伝わる感覚だと思います。普通のリズム感のある方にはわからないかもしれません。

でも、この「自分が音楽の一部」だと自覚するだけで、今まで聞こえなかったギターの細かい音や、唄の強弱が洪水のように聞こえるようになりました。今まで全く聞こえなかったのにいきなり聞こえるようになったのです。不思議ですね。

今までにない感覚でした。

スポンサーリンク

リズムが聞こえてくると身体が勝手に動き出す

新しい感覚

いままで振りを追っていた時には、無理やり身体を動かしていました。が、いったん振りを忘れて「自分が打楽器であり音楽の一部である」を意識するようになると、そのリズムに身体が勝手に、自然にアクセントを探し出して動きたいように動き出します。これが「ノリ」というものだと気づいたのはつい最近です。

身体は生まれる前からリズムを知っています。太古の昔からの記憶がDNAに刻み込まれているのでしょう。そこにあるリズムに気づくか気づかないかは本人次第。

リズムに気づいたら、シャーマン(巫女)のように内なる音楽に身を任せておけば無理やり動かない身体を動かすという無体な事をしなくてよくなります。

一度振りを捨ててみよう

レッスンで録った音源を聴くときに、無意識に脳内で振りを追っていませんか?一度、振りを全部忘れて音楽だけに集中してみましょう。

そうすると今まで気づけなかった強弱や緩弾などが聞こえてくると思います。その音楽が耳に入ってくるようになってから、改めて振りを乗せてみましょう。

そうすることによって、今まで一人相撲のようだった自分の踊りが、歌い手さん、ギターさんのリズムと絡まった「音楽」に生まれ変わります。

スポンサーリンク

【フラメンコの踊り手は楽器】と考えればフラメンコが理解しやすくなる まとめ

「自分は打楽器であり、音楽の一部である」

この事に気づいた瞬間、今までとは違ったフラメンコが聞こえてくると思います。

自分が楽器だと気づいた時に初めて、歌い手さん、ギターさんと一体になった「フラメンコ」が生まれます。

一度意識を音楽へと向けてみましょう。

▼▼▼フラメンコの種類リズム別一覧へはこちらから▼▼▼

フラメンコの曲種(種類)リズム別一覧表/2拍子・4拍子/3拍子・12拍子/自由拍子リブレ 

【フラメンコ・香水・薔薇 関連人気記事】
タイトルとURLをコピーしました