フラメンコの素敵な歌詞/カーニャcaña/遅かれ早かれあなたにも天から罰が下る
そして私にも罰を与えました
フラメンコの中でも一度聴いたら忘れられない東洋的エキゾチックで厳粛なメロディを持つ曲です。以前、カーニャを持ち曲としている人に「カーニャは鎮魂の歌」と聞いたことがあります。音階の中に教会音楽の旋律が入っているのです。
今回は一度聴いたら忘れられないメランコリックなメロディを持つカーニャをご紹介します
フラメンコの素敵な歌詞 【カーニャ】
カーニャのリズム
- 3拍子系12拍子で、ソレア同様2通りのリズムがあります
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
カーニャの歌詞
(Caña)
Cuando yo canto la caña
El alma pongo en el cante
Porque me acuerdo de ella
Y creo que la tengo
Creo que la tengo delante
Ay porque me acuerdo de ella
カーニャを歌うとき
魂をさらけ出す
私は彼女を忘れられない
私はずっと抱いている
ずっと胸にある
ああ、私は彼女を覚えている
Caña dulce, de mi dulce caña,
Que tarde o nunca las pierde
El que tuvo malas mañas.
いとしのカーニャ、私のいとしいカーニャよ
悪い手癖を持った男は
いつまでもおそらく一生変わらないのだ。
ロンダの崖
En el querer no hay venganza
Tú te has vengado de mí
Castigo tarde o temprano
del cielo te ha de venir
復讐から逃れたい
しかしあなたは私に復讐しました
遅かれ早かれあなたにも天から罰が下る
そして私にも罰を与えました
ロンダの橋
(Macho )
Ay arsa y viva Ronda
Reina de los cielos y creo que la tengo
Reina de los cielos y creo que la tengo
ああ素晴らしい、ロンダよ
天の女王よ
私は彼女を持っている
ああそうだ待っている
カーニャの動画を見てみよう Cristina Aguilera
以前、カーニャを習ったときに先生に薦められてみた動画です。「Cante de las Minas」という有名なコンクールの準決勝の様子です。今回記事を書くにあたって久しぶりに見たのですが、凄い気迫ですね。
カーニャの成り立ちと特徴
カーニャの起源と偏性
カーニャは「フラメンコの母」であるソレアとシギリージャの両方の特性を持っているといわれています。
歌詞にも出てくるロンダ山岳がカーニャの発祥地とされ、メロディ的にも連想されるアラブのモーロ人の影響を強く残している。19世紀に全盛期を迎えアントニオ・チャコンの死とともに一度衰退、のちコンクールやフラメンコの女王カルメン・アマジャによってふたたび息を吹き返した。
当初はほかの曲と同じように今よりももっと速く歌われていたようです。
カーニャにおける小物使い
カーニャはアラブの血を深く受け継いでいる事から「マントン」と呼ばれる大きなショールや裾の長いスカート「バタ・デ・コーラ」、カスタニュエラスなどが使用されることが多いです
こちらもコンクールの動画。バタデコーラとカスタニュエラスを使っています
ラメント(嘆き)
最初の部分や終盤近く「イーイーイー」というラメント「嘆き」と呼ばれるリフレインが入ります。以前紹介した「ポロ」もラメントを持つフラメンコです。
▼▼▼ラメントを持つフラメンコ「ポロ」▼▼▼
フラメンコの素敵な歌詞/Poloポロ/私の歌は嘆きとなり 鋭い黄金棘となりました。
哀愁を帯びたメロディは日本人好みで、よく馴染みます。
音楽形式ミを主音とするナチュラル旋法となり、実にフラメンコのイメージ通りです
フラメンコの素敵な歌詞/カーニャcaña/悪い手癖を持った男は いつまでもおそらく一生変わらないのだ まとめ
一度聞くと忘れられないエキゾチックなメロディ。とても浪漫を感じるフラメンコです。
カーニャは小物なしでも小物ありでも独特の魅力を持っているので、ぜひいろんなパターンで楽しんでください
▼▼▼フラメンコの曲一覧▼▼▼