フラメンコとNHKドラマ「黄色い煉瓦」 一つの道を極めるための執念 愛知県・常滑

フラメンコ

フラメンコとNHKドラマ「黄色い煉瓦」 一つの道を極めるための執念

煉瓦(レンガ)と聞いていつも思い浮かぶのは大正浪漫でした。

普段テレビを全く見ない私が昨夜、なぜかテレビの電源を無意識につけたのですが丁度「黄色い煉瓦~フランク・ロイド・ライトを騙した男~」という作品が始まったところでした。

エラー - NHK

おお!!見覚えがある建物!!ああ、小学校の社会見学で頃明治村に行った時、旧英国ホテルの前で記念写真撮った!!

と軽い気持ちで見始めたのですが、ドラマが始まって数分で

たこ
たこ

「ちょっとこれは神さまのお導き」

と思う程、のめり込んでみてしまうようなドラマだったのです。ヤスケンの怪演はさすがだし、小林豊さんっていい役者だな、お顔も好み♪

今回は「その道を極めた人の執念」について書いてみようと思います。

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フラメンコとNHKドラマ「黄色い煉瓦」 一つの道を極めるための執念 愛知県・常滑 私が最も印象に残ったシーン

真っ暗な工房で欠けた煉瓦を頬に摺り寄せるシーン

「お前も俺も、忘れられてしまうのかな…」

「痛いな…痛いよ…ザラザラしとる… 生きとる!俺はまだ、生きとる…」

糖尿病で片腕を失い、残ったほうの腕も感覚無なくなった安田顕演じる「久田吉之助」が真っ暗な工房で欠けた黄色い煉瓦を頬にあてながらつぶやくシーン。

人間は2度死ぬといいます。

  • 1回目は肉体的な死
  • 2回目はその後人の記憶から消え忘れられていく存在的な死。

日常的にこの事については考えることはないと思うのですが、誰もが死について考えた時に恐ろしくなるのが、この後者の「忘れ去られてること」への恐怖だと思います。

自分の存在が消え去る事への恐怖。それを煉瓦を使って表したこのシーンにとても強く惹かれました。

【画像はドラマにも出てきた久田吉之助のトンボ】

表面の溝の理由 スクラッチ煉瓦(スダレ煉瓦)

この黄色い煉瓦にはひっかき傷がつけてあります。最初、デザイン的にお洒落だからかなと思っていたのですが、ドラマを見た後煉瓦について調べてその溝の意味が分かりました。

引っ掻き傷をつけることによって焼いた時の割れや欠けの割合をぐっと減らすことが出来コストダウンが出来る、職人の知恵からです。スクラッチ煉瓦(スダレ煉瓦)という製法になります。

ドラマには傷をつけるシーンは何度も出てきましたがこの説明はありませんでした

唯一無二の存在になるための模索&土を食べるシーン&初めて黄色い煉瓦が焼けたシーン

話は遡って煉瓦は赤い煉瓦が主流のなか、美しい黄色い煉瓦の話を聞き「誰も作れないなら自分が作り出し唯一無二の存在になろう」と11年間、試行錯誤と失敗を重ねそして成功を勝ち取る姿。

一度「この道を極める」と決めたらとことん、問い詰め試行錯誤を重ね、諦めない。

トライ アンド エラーののち、またトライ!!成功を手にするまでトライし続ける姿。

吉之助は医者に止められても、とことん追求し続けました。この姿・・・

フラメンコでも宝塚でもスポーツでもノーベル賞受賞者の科学者でも、そして主人公「久田吉之助を怪演する安田顕」にしても、その道のプロと呼ばれる人たちの姿と重なりました。成功を手にするまで諦めない。

挑戦し諦めなかった者だけが成功を手にすることが出来る

非常識な挑戦と成功

吉之助の黄色い煉瓦の秘密は、窯に酸素を入れて完全燃焼させる「酸化焼成」の技法で、焼ける寸前に窯の入り口を破壊することだったのですが、当時の手記によると「吉之助が暴力的な嫌がらせをするのでとめた」で記されており、吉之助が工房から外された後吉之助の元から引き抜いた元弟子が

「焼き上がりの寸前に兄弟子が吉之助の指示で壁を壊していた」と進言をしても信じず、工期が迫って仕方なく

「熱田の秋葉山別院に参じて火祭りの御祈祷をしてからならば」

と条件を出しようやく応じ盛大な祈祷を行い、安全守りの大きな御札を各窯正面天井の大柱に貼り付けて礼拝。

そののち壁に穴をあけて酸化焼成を行ったほど、非常識な製法だったのです。(ドラマにはないエピソード)

たこ
たこ

非常識な挑戦を思い切ってやってみる勇気、それが成功につながったのですね。


因みにドラマでは一番弟子でラストの感動シーンで製法を伝えられる小林豊さん演じる「伊奈長太郎」は実は弟子ではなく、寺内氏が指導していた学校の卒業生で伊奈製陶・あのINAX(イナックス)の創始者で政治家です。吉之助・寺内が去ったのち、煉瓦製作所技術顧問となりました。

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NHKドラマ「黄色い煉瓦」 一つの道を極めるための執念 愛知県・常滑 ドラマのまとめ

大正時代。100年前の愛知県・常滑(ところなめ)が舞台。

世界的建築家フランク・ロイド・ライトは、旧帝国ホテルの設計にあたり、外壁を“黄色い煉瓦”で飾ることを求めた。当時の日本で黄色い煉瓦を焼くことのできた職人は愛知県・常滑の久田吉之助しかおらず、ホテル側は協力を求めた。

「周囲の人を殴り倒すような荒くれ者」「フランク・ロイド・ライトを騙した詐欺師」という逸話の残る久田吉之助の生きざまに迫るドキュメンタリードラマ

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フラメンコとNHKドラマ「黄色い煉瓦」 一つの道を極めるための執念 愛知県・常滑 まとめ

このドラマを見ていて一番に感じたのが、

  • その道を極める人の恐ろしいまでの執念

でした。

【画像は久田吉之助の作品】

これは煉瓦職人の話でしたが、私が普段踊っているフラメンコ。こちらでも人の心を打つフラメンコを踊っている人の練習姿にはある種の「執念」を感じます。

はじめ「信念」と思ったのですが「執念」の方がピッタリくるように思います。

自分はというと・・・一生懸命はしていても、そこまでの「執念」をもってフラメンコをしたことがないように思いました。

「執念」をもってフラメンコをしてみたらどんな結果が生まれるのだろう。

とふと思いました。

偶然テレビをつけた時に偶然ドラマが始まり、なんとなく見始めたのも神様のお導き。もう一度見たいドラマです

そして煉瓦自体にも、今まで以上に何とも言えない魅力と浪漫を感るようになりました

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